優秀な翻訳者が常に不足しているのは当たり前

この業界で嫌ってほど聞くのは「優秀な翻訳者は常に不足しています」という声ですが、その裏にあるものとは何でしょうか?!

「優秀」な翻訳者とは?

翻訳者として優秀ってどういうことでしょうか。

ミスがないのは前提ですけど、内容の正確さよりコピーライティング面で優れた文章が良いとされることもあれば、文章としてはぎこちなくても原文にミスが多くても正確に反映させてほしいというものもあるので、分野によって良い翻訳なんて千差万別でしょう。

結局はニーズに応えられればそれでよし。あくまで評価するのはクライアントですから。

とはいえ、算数の問題ではないので文章って人によってかなり違ってきますよね。

Anyaが属する技術翻訳業界なら、「流麗な文章は書けるけど内容把握ができていない」人より「内容については詳しいのになんだか日本語がおかしい」人の方が好まれるでしょう。英訳原文の雑さを見てたら、そりゃあねえ…

とはいえ、「文章が流麗」かつ「内容把握が完璧」なのがもちろん良いです。それでもってミスがほぼなければどのエージェントからも継続的に依頼は来るでょう。

レギュラー翻訳者の数はどこも少ない

おそらくどのエージェントも登録翻訳者の数だけでいえば、100人単位、大きいところなら1000人単位だろうと思います。

Anyaが勤めていたところも、膨大な登録者リストがありました。数えたことがないですが、一分野で数百人分はくだらなかったはず。でも、いつも頼む人なんて決まってます

いつも頼む翻訳者は名前が頭に入っていて、品質にうるさいこのクライアントは絶対にAさんかBさん、なんて風にある程度ソークラや分野で頼む人もだいたい固定されていました。

感覚値ですが、月1回以上依頼する人が一分野で30人いたとしたら、絶対逃したくない人は1~2人くらい。パレートの法則どころじゃないです一方で、新しく良い人が入ってきたらもういいかな…という人はもっと多かったです。

ゆーっくりと入れ替わってはいきますが上位数人は基本固定優秀な人はいつでも歓迎なんていってるのはこの層のこと

この層は数年かけて数人集まったら良いくらいではないでしょうか。いたとしても、スケジュールがいつも埋まっているのであれば戦力外ですから、依頼できてかつ有能な人は超レア人材なのです。

Anya

余談ですが、会社員時代に翻訳者リスト全体の人数を把握してないのは、創業以来過去に依頼してみた結果「依頼したら危険」水準の人が恐ろしく多かったからです。

本当に人が足りなかったときに、一度同僚がその中のある翻訳者さんに頼んでみたことがありますが、それはそれは恐ろしい結果になったので、もう絶対に頼まない!と皆で誓いを立てました。

やはり依頼しない…いや、できないにはそれだけの理由があるんです。



低単価エージェントに優秀な人が集まらないのは当たり前

エージェントがどんなに優秀な翻訳者を常に求めていますなんて漠然としたことを言っていても、自社の単価を受け入れてくれる翻訳者であるという大前提があります

翻訳者がより高単価なところと契約すれば、単価が安いエージェントは翻訳者側に実質的には切られたようなもの。

それに、これまでの経験上、低単価の会社ほど気持ちよく仕事できませんでした。

過去の取引先で、単価がかなり安かった某社は指示が異常に細かかったですが、信頼できる品質のものを納品してくれる翻訳者は留まってくれないので結果的に指示が増えに増えまくったのでしょう。単価を下げたからこそ良い人が減るっていう負のスパイラルなんでしょうねえ。

他にも、画像編集しろとか、作表しろとか、パワポの体裁を整えろとか、翻訳以外の作業までタダでさせようとする業者があるというのは結構聞きますが、自営業やってるんだったら自分で線引きして交渉しましょ

自分たちの商売のやり方がまずいと客観視できない企業だからこそ、他人にも理不尽なことが次々と頼めるのでしょうけど、こういうところが結構な費用をかけて一年中求人を出しているのはなんとも皮肉なものですね。頻繁に求人をかけたところで良い人材が確保できるとは思えませんが…さぞかし資金潤沢なのでしょう…