原文に忠実な翻訳?いやいや、これも誤訳です

普段目にする他人の翻訳といえば、専門分野については仕事でいただく過去の関連案件やネット上に転がっている文書程度なのですが、気付けば10年以上海外ドラマ漬けでVOD普及してからは観るものがある限り1日3時間以上は観賞しています。

VODは同じ作品を複数サービスで配信されていることも多いですが、字幕や吹替えの翻訳は各社で違いますし、納期がかなりキツいんだと思いますが結構誤訳が見つかります。

海外ドラマで見つけた誤訳例

以前、とあるVODのサスペンス系ドラマで見つけたイタい誤訳といえば、「last resort」が「最後の楽園」なっていました。どう考えても「最後の手段」なんですが、翻訳者の方はこの慣用句を知っていなかったんですね。

知っていると思い込んで辞書を引かないって怖いな、と良い反面教師になる例です。

他にも最近観ている他のドラマでは、ある登場人物が妊娠何ヶ月か聞かれ、「Three and a half」と答えます。これが「3ヶ月半」と訳されているのですね。

合ってるじゃん!とお思いです?

いやいや、これ誤訳です。気温はちゃんと華氏を摂氏に置き換えるのに妊娠週数はそのままだなんて…ね。ダメですよ。

日本の妊娠週数の数え方は世界的にもかなり独特です。だって、妊娠してない最終月経開始日から数えるんですから…。だから付き合ってすぐの予定外の妊娠に対して男性による「この期間付き合ってないし!浮気だろ!!」っていう誤解が生じるんですね。

欧米(全部ではないかも)だと妊娠週数は排卵日から数えます。これを忘れていると、欧米の友人と話すときにまだ妊娠して日が浅い割にお腹も大きいし、欧米は早産傾向なんだ!なんて勘違いしちゃいます。

技術翻訳でも英語圏だけ単位が違うのでヨーロッパ・日本向けに単位換算してくださいなんて指示されることも度々ありますが、翻訳っていうのは文化面の差異も考慮しないと翻訳とは言えないでしょう

自分の知識・能力の過信は禁物

上のような誤訳って無知が原因ではあります。ただ、留学や海外で生活した経験があれば知っているかというと、人によるでしょう。日本でも一般常識に欠けてる方はいくらでもいますから。

翻訳に限りませんが、ミスをする大きな原因の1つは自分の知識や能力を過信することです。下の本にも書かれていますが、良い仕事をするためには自分の能力を過信しないこと!!

翻訳者であれば、辞書は未知の用語を引くため、あるいは用語確定するために使うのは当然ですが、Anyaは知っていると思っている用語でも頻繁に辞書を引きます。

いや、辞書を改めて引いているというよりは、串刺し検索ソフトのクリップボードの語を自動で検索する機能を使っているだけにすぎませんが、ちょっとでも不安があれば用語確定のために辞書は読む手間は惜しみません。

コーディネータ時代でも、普段頼んでいる分野とは違う分野を依頼したのに使われている語が同じというだけで思いっきり誤訳している方がたまにいらっしゃいましたけど、意味が通らないはずなのにそのまま翻訳しちゃうとか、ダメでしょ。

これやっちゃうと、「内容分かってなかったんだ…」って思われて以後依頼来なくなることもあるので気をつけましょ~。